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初めてケビンとデートをしたあの日…


--pleasant or sweet memory--


「ゴメン、待った?」
少し息を切らして私は彼のもとへと近づいた。
「…別に」
彼…ケビン・スミスはぶっきら棒に答えた。
「そうだよね〜まだ約束時間から10分くらいしか経ってないし」
「はぁ?何言ってんだよ、30分過ぎてるだろ。」
「ぇ…?」

…アレ?約束時間、間違ってたっけ?

「と、とりあえず…ごめん…」
「まぁ、良いよ。それより何処行く?」
「うーん…じゃあ…スケート!」
「えぇ!」
なんか、妙に驚くケビンを見て私は「え?」と聞き返す。

「…良いんだけど…。何でイキナリ、スケートなわけ?」
「…寒い日はスケートに限る!」
「スキーは??」
「スキー場まで行くのが大変じゃん」
「…確かにそうだろうけど…」

という事で、ケビンは少し嫌そうにしているけど、スケート場に行く事になった。
電車に乗って…


私とケビンが出逢った場所は青春学園である。
私は青春学園の1年生で、リョーマと同じクラス…
偶然男テニの前を通ったらケビンに出くわした。

「ねぇ、越前リョーマ…知らない?」
「…え?」

綺麗な金髪に隠れた蒼い瞳が私を見据える

「…知ってるけど…」
「ほんと?」

「今はココにはいない…よ?」
「…何で?」
「合宿…に行ってるらしいけど…」
「…ふーん」

そんな会話をすると、私の前から去ってった。
今思えば、たった数回の会話なのに、何故にデートにまで発展したのか…?

それは、リョーマ達VSアメリカ西海岸の試合が終った後
私はリョーマの応援の為に青学の皆と一緒に来ていた。
その帰り…
ロビーで選抜メンバーを待っていた私達の前にアメリカチームが数人帰る所だった。
その中には、いつかの金髪も混じっている。
私に気づいたらしく、コチラに向ってきた。

「ちょっと…」
私に金髪少年は話し掛けて来た。

人気の少ない廊下に連れられて「何?」と聞いた
「礼…言ってなかったろ」
「お礼?」
「青学で逢って越前リョーマの事教えてくれたろ」
私に顔を背けて照れくさそうにしている。
「…って、あんなの教えたに入らないよ。」
「とにかく!明後日どっか連れてってやるよ…」

これがデートへと発展した訳だ…



って…そういえば、スケートって私あまり上手じゃないんだった。
スケート場に着いて靴を履き替えてる途中に気づいた(遅っ)

「滑らないのか?」
モジモジと手すりにしがみ付いてる私に気づいてケビンが声を掛けてきた。
「…スケート苦手だったかも」
「はぁ?」
うぅ…スキーならモロ上手いんだけど…

「ぷっ、あはは…それってバッカじゃん?」
「なっ…」
「だって、自分からスケートって勢い良く言ったくせに。」
「う…」
仰るとおり…
「ホラ」
「え?」
気づくとケビンは手を差し伸べてくれていた。
「滑れないんだろ?俺に掴まってれば大丈夫じゃん」
そう言ってくれた言葉が嬉しかった。
「うん!」
勢い良くガバッとケビンにしがみ付いたらケビンは支えきれなかったようで2人一緒に倒れ込んだ
「いった」
「…バーカ。勢い良く突っ込んでくる奴があるか」
「ム…ケビンこそちゃんと支えてくれないと駄目じゃん!バカ」
ケビンの上に倒れ込んだまま私達は言い争い…
「大体、私だって本当は少しくらいなら…」
と言いかけて立ち上がろうとした瞬間ケビンに腕を掴まれてグイっと寄せられた

初めて唇と唇が重なり合った瞬間…

「ケビ…」
「……だっけ?」
「!」
そういえば、名前呼ばれた事無かったし…その前に教えた事も…
「何で名前…」
「リョーマから訊いた」
「…」
「あのさ…何で今日俺がを誘ったか分かる?」
「え?」
突然訳の分からない事を訊かれて戸惑った
「何でって…お礼とか言ってなかったっけ?」
「それもあるけど…コレ、デートだろ?普通に考えて」
「…ま、まぁ…」
「ココまで言われて解んない?」
「…?」
「はぁ」
ケビンは溜息を付いて立ち上がると手を貸してくれた。
「キスまでしたんだから悟れよな」
「…って…」

が好きだから今日誘ったの。」


「だって…まだ2回くらいしか逢った事ないじゃん。しかも全然会話らしい会話じゃないし」
「好きになるには時間が掛かるってモンじゃないだろ?」
「…」
「戻ろ…」
そう言ってケビンは私の手を引く
…まだ少ししか滑ってないのに…

って好きな奴とかいんの?」
「なんか、しつこいね。そんなに気になるの?」
「気になる」
スケート場を出てケビンはどっかに向っていた。私はただケビンを追うだけなんだけど…
「…別にいないけど」
「ホント?」
そう振り返って言われてたのでコクリと頷いた。
「じゃあ、俺の彼女になれよ」
「それは無理」
「何で?」
「何でって、ケビンはもーすぐアメリカに帰るんでしょ?無理無理」
「…こっちで言う遠距離恋愛ってやつじゃん」
「遠距離過ぎてヤダ。っていうか別に彼氏なんて欲しくないもん」
そう答えるとケビンはムっとして再び歩き始めた。

その間あまり会話は無かった。
着いた場所は
「空港?」
「俺、今日帰るんだよ」
「え!?今日帰るの!?」

そんな事誰からも聞いてなかった。

遠くの方でビリーの声がする
「おーい!ケビン!早くしろよ!」
「今行く!」

そう大声を出すとコッチに振り向いて…
「じゃ、…お別れだ。じゃあな」
そう言って歩き出した

とっさに私はケビンの袖を掴む

「!」

「ごめん…私もケビンの事…好きだよ。」
「…ほんとに?」
「でも、ケビン…アメリカの方とかに…好きな人はいないの?」
私は恐る恐る訊いた。
「いないよ」
結構即答…

俯いた顔を上げて私は笑って言った
「なら…彼女になっても良いかな」

そして彼も笑った




あれ以来会っていない…
もう5、6年も前になるのか…月日が経つのは早いや…

今でも彼が待ってくれてるとは到底思っていないけど…
それでも、高校を卒業したその先は、留学…
中学ん時からリョーマに負けないくらいの英語力はあったし。



アメリカ空港に着いた私は「ふぅ…」と溜息を付いた。
確か空港に、留学中泊まらせてくれるって人が来てくれるらしいけど…

!」

私は今でも忘れない聞き覚えのある声を聞いた。

fin...



…えぇ!!?みたいな話でした。
久々にケビン夢兆戦した氷雨でした。…なんか変な話。
もう本当に何も突っ込まないで!!(涙
2005/2/20

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