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こんちゃー。マイネームイズ
・・・とか、何馬鹿やってんだろね、あたしは。

「気高き戦士、ケビン=スミス!!!」

ボスの声で噴出された煙幕(?)と共にケビンが現れる。
おーおー、これまたご機嫌ナナメっすな、お兄さん。
なんか、越前リョーマと戦えないって聞いたらしいからな・・・。
ま、こっちはこっちでさっきの月プロ(月刊プロテニス)のお姉さんから
『越前リョーマが出る』って情報もらってんだけどね。
・・・グリフィー兄弟の生写真と交換で。(ちょっとした等価交換よ!)

って、あぁっ!!!
くっそ、あの月プロのオッサンバラしやがった!!!
折角等価交換でケビンに教えてやろうと思ったのに・・・。
呪うよ?

コホン、それはさておき。
そろそろ帰ってくるな・・・。



だから今だけは



ガチャリとドアを開けて、ケビンが部屋に入ってくる。
あたしはベッドの上に座ってニュースを見ていたのだが、
ケビンが入ってきたのに気付くと電源を消してベッドから降りた。

「おかえり。」
「あぁ。」
「記者会見、見たよ。フレンチカンカンの舞台を鑑賞した気分だった。」
「・・・要するに、『派手』って言いたいのか?」

感想を微妙な言い回しで表現するあたしにに、ケビンはため息混じりで答える。
あたしはは「うん。」と笑顔で答えると、ベッドから降りてケビンの目の前で立ち止まった。
そして、ケビンの顔を両手ではさんでじっと見つめる。

「・・・なんだよ。」

少し睨むような感じで見つめたままのあたしに、ケビンが聞く。
あたしはは、ワザと大袈裟にため息をつくと言った。

「越前リョーマの事、考えてたでしょ。」
「なっ・・・当たり前だろ!」
「それはどうでもいいのよ。要は、思考を顔に出しすぎって言ってるの!」

顔を包んでいた手でギュッと軽くケビンの両頬を抓ると、
あたしは反動をつけてベッドに座り込んだ。
ベッドが俄にギシッときしむ。
ケビンは抓られた頬をさすりながら、ベッドの近くの椅子に座った。

「で、どうしろと?」
「別に。今更ケビンにトムやテリーみたいにスマイルしろなんて言わないわよ。」

ってか、想像したくもないわよっていうのが本音だったり。


「あぁ、言われたってできないしな。それと、お前知ってただろ。」
「何を?」

あたしはケビンの言葉に、髪をかき上げながら答える。

「だから、越前リョーマがメンバーに選ばれてるって知ってただろ。」
「・・・なんでそう思うの?」

内心『ばれた?』と思いながらも平然と答えてみた。

「いつもは、こういうニュースが入ったら俺が帰って来るなり騒ぐからな。
騒がないって事は知ってたんだろ?」
「ばれてしまってはしょうがない。しかし甘いね、ワトソン君。」

フフフ、と妙に演技めいて言うあたしを、「誰がワトソンだ」とケビンは小突く。
小突かれた部分を不機嫌そうにさすりながらあたしは言った。

「あえて騒がなかったのよ。あとでこの情報を交換条件にして、
ケビンになんかしてもらおうと思ってね。」
「何させるつもりだったんだ?」
「ドジョウすくい。」
「?」
「知らない方がいいよ。」

思いついた事を言ったところ、ケビンは解らなかったらしく軽く眉間に皺を寄せた。
一方あたしといえば、ほんの少し
『ドジョウすくいをしているケビン』を想像してしまって笑いをこらえるのに必死だった。
しかし、どうしてもこらえきれずについに笑ってしまう。

「何急に笑ってんだよ。」
「アハハッ・・・ごめっ・・・ちょっと、想像しちゃっ・・・ハハハ・・・!!!」
「ったく・・・。」

そう小さく呟くなり、ケビンは笑っているあたしをベッドに押し倒した。

「わっ・・・ケビン?」

こんな状況だというのに反応の薄いあたしに、ケビンは呆れたように小さくため息をつく。
そんなケビンの下で、あたしは「どうしたの?」というような顔だけしていた。

ケビンがの不意に、唇にふれるだけのキスをすると耳元に口を寄せて呟く。


「ごめんな。」


「え?」

顔の脇にいるケビンに視線だけ送って、あたしは疑問の声を発する。
ケビンはふわりと顔を上げると、まっすぐに見下ろして言った。

「お前の事考えてないから、怒ってたんだろ?」
「・・・わかってんじゃん。」

少しばつの悪そうな顔であたしは呟く。

だって、最近ずっと『越前 リョーマ』の事ばっかりなんだもん。
あたしといてもちょっとテレビ見てる時に
テニス関係の話が出たと思ったら、もうそいつの事考えてるし。
そりゃ、事情がわからないわけじゃないから黙ってたけど、ちょっとねぇ・・・。

「だから、ごめんな。」
「それはもういいから。その代わり、今ぐらいあたしの事考えて?」

だって、気付いてくれたじゃない。
二人っきりの時・・・今だけでいい。あたしの事だけ考えて欲しい。
そしたら、あとは好きなだけ越前リョーマのことを考えていればいい。

「ケビンがあたしの事考えてない間は、あたしがケビンの事考えてるから。だから・・・。」
「わかった・・・そうさせてもらう。」


唇が、そっと重なり合った。


あなたがあたしの事を考えている時が、いつか日常になる事を願って。
今という貴重な時間をあたしはあなたと愛し合う。

だから、今だけは・・・ね?


*ビバあやふや!!!
ケビン君に謝罪させてみたかっただけ・・・です・・・。(怯え)←?
ところで、不等価交換って良い響きっすね・・・。(何がだ)
by.平
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19 さまより頂きました!ケビン夢!有難う御座います!
あー良いですよvvアメリカチームの会見ん時の話ですねーvv
ケビン、もっと攻めちゃって良いですよ!(ぇ
んー、リョーマの事を考えてるのも良いけど、少しは恋人の事も考えようね、ケビン。
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