もーいーかい？
まーだだよ。

もーいーかい？
もーいーよ。


　　僕はここにいるよ（かくれんぼの続き）


「ってね、昔の夢見たんだ。」
「あっそ」
何を喋り出すかと思えば。そんな六年以上昔の話を。
「もーそっけないな。どうしてあんな優しかったのにこんな性格になっちゃったかなー。」
「なにをそんな懐かしんでんだよ。昔も今も俺は俺だろ？」

過去の思い出なんか過去でしかねぇ･･･

「何格好いいこと言っちゃってんのケビンちゃーん。」
「なんだよその呼び方。」
「昔の話は嫌いだ。昔の俺は弱かったから。其れを改めて感じるのがイヤだ。
あのときだって始めから止めていれば、に怖い思いさせなくてすんだ。」

そう言う風に、過去を悔やむことしかできないから、嫌いだ。
「そうかもしれないけど、あの事件がなかったら私達今こんな風にしてられないと思うよ？」

と話す機械は無くなっていた？出会えなかった？
俺が弱かったから、事が良いように進んだのか？

「確かに怖かったけど、あのときケビンが来てくれて凄い嬉しかった。」
「･･････フン･･･そうかもな。」
「ケビンはネガティブすぎー！！」
「そういうお前はポジティブすぎ。」
「なにおーう！･･･････････でもね、たまに思うんだ。」

ケビンが私を見つけてくれた。
だから、今度は私が鬼。
そしたら私は貴方を見つけることが出来るでしょうか。
「ケビンが居なくなったら、私はケビンに会えるかな？」
「解らなくなったら呼べばいい。俺はそれに答えるよ。」
「それはルール違反でしょー！」
「ルールなんて破るために有るもんだろ。」


たとえそれが反則だとしても。
君を悲しませない為なら、何処にいても解るように叫んでみせよう。
君が僕を呼ぶことで僕はそれに答えよう。

二度と、決して。
君を、独りにはさせない。

僕はここにいるよ。

いつでも、君の隣に。


「ねぇ、ケビン。みんなとかくれんぼやろっか？」
「そうだな。」


もーいーかい？
まーだだよ。


もーいーかい？
もーいーよ。




「あー！！ケビンみーっけ！！！」